文学

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岐阜県が関連する文学作品

岐阜県を題材にした文学にはいくつかあります。それらのいくつかを紹介してみましょう。

夜明け前(島崎藤村)(中津川市・旧長野県木曽郡山口村)

夜叉ヶ池(泉鏡花)(揖斐郡揖斐川町・福井県南条郡南越前町境):夜叉が池の伝説に基づいた3つの物語が重なるファンタジーです。

高野聖(泉鏡花)(飛騨市・白川村境の天生峠が舞台):魔性の女性に魅入られた僧やその他の男たちの物語です。

篝火(川端康成)(長良村、岐阜市) – 元恋人・伊藤初代を直接題材とした作品

南方の火(川端康成)(同上)

時代の祝福(川端康成) – 伊藤初代と婚約した長良川の宿を6年ぶりに再訪したことを題材とした作品

国盗り物語(司馬遼太郎)(美濃地方)

『あゝ野麦峠』(山本茂実のノンフィクション)

長良川(豊田穣)

中山七里(長谷川伸)(下呂市、中津川市など)

女王国の城(有栖川有栖) – 木曽山中の架空の町・神倉にある新興宗教団体「人類協会」を舞台に起きる連続殺人を題材とした作品

封印再度(森博嗣) – 恵那市の旧家が舞台

その具体的な内容

夜明け前(島崎藤村)
日本の近代文学を代表する小説の一つとして評価されています。夜明けは江戸時代の日本が舞台となっています。ペリーが来航して、時代の変動が始まった1853年前後から1886年までの幕末と明治維新の時代をえがいています。小説の主人公は、青山半蔵という名前の若者です。中山道の宿場町であった信州木曾谷の馬籠宿(現在の岐阜県中津川市馬篭)が舞台なのです。主人公をめぐる人間群像を描き出しています。これは島崎藤村の晩年の大作です。

夜叉ヶ池(泉鏡花)
泉鏡花が1913年(大正2年)に発表した戯曲です。夜叉ヶ池の龍神伝説を題材としています。百合と晃という二人が鐘をつくことで大洪水を防いできたという物語です。幻想的な内容で、夜叉が池の古くから伝わる伝説を現代風にアレンジした点が一番の魅力でしょうか。最後は悲しい結末ですが、百合と晃の純愛が読む人の心を打つことでしょう。

高野聖(泉鏡花)(飛騨市・白川村境の天生峠が舞台)
高野山の旅僧が旅の途中で道連れとなった若者に、自分がかつて体験した不思議な怪奇譚を聞かせる物語です。蛇と山蛭のいる険しい山路を抜けて、美女の住む孤家にたどり着いた僧侶の体験した超現実的な幽玄世界が語られます。

篝火(川端康成)(長良村、岐阜市) – 元恋人・伊藤初代を直接題材とした作品です。川端康成は自分が22歳の時に婚約した15歳の幼い恋人を生涯忘れることなく、小説の題材としたのです。

南方の火(川端康成)(同上)

時代の祝福(川端康成) – 伊藤初代と婚約した長良川の宿を6年ぶりに再訪したことを題材とした作品です。

国盗り物語(司馬遼太郎)(美濃地方)ー戦国時代に一介の油売りから身を起こして美濃国の国主になった斎藤道三と、隣国の尾張国に生まれ破天荒な政略・軍略で天下布武を押し進めた織田信長を扱った作品です。

あゝ野麦峠(山本茂実のノンフィクション)ー 戦前に岐阜県飛騨地方の農家の娘(多くは10代)たちが、野麦峠を越えて長野県の諏訪、岡谷の製糸工場へ働きに出かけていました。彼女たちは、吹雪の中を危険な峠雪道を越え、また劣悪な環境の下で、当時の有力な貿易品であった生糸の生産を支えたのです。

長良川(豊田穣)- 一年余のガンとの闘病ののち妻は死んだ。残された二人の子を長良川に近い故郷にあずけ、一人で東京生活を送る男の胸によみがえる捕虜生活の屈辱の記憶が語られます。直木賞受賞作です。

中山七里(長谷川伸)(下呂市、中津川市など)- 飛騨川中流の渓谷を題材とした文芸作品です。長谷川伸の時代物の戯曲です。江戸っ子の木場の政吉は、恋仲のおさんと死に別れたあと、あてもない旅烏となって諸国を放浪するのです。それから3年。ある日ひょんなことから助けた娘お仲は、元恋人の生き写しでした。お仲のために命を賭ける政吉を恋と喧嘩と旅で綴った「股旅物」の傑作です。

女王国の城(有栖川有栖) – 木曽山中の架空の町・神倉にある新興宗教団体「人類協会」を舞台に起きる連続殺人を題材とした作品です。

封印再度(森博嗣) – 推理小説のシリーズです。恵那市の旧家が舞台となっています。萌絵はパズルマニアの世津子から、岐阜県恵那市の旧家・香山家の家宝である「無我の匣(むがのはこ)」と「天地の瓢(てんちのこひょう)」の話を聞いていくのです。