君の名は
2016年にアニメ映画『君の名は』がヒットした。東京に住む男子生徒と飛騨に住む女子生徒が不思議なことに、互いに身体が入れ替わりになる、という現象から始まる。そして、その二人の間でコミュニケーションが始まり、それが恋になってゆくのだ。
この映画の魅力の一つとして、女子生徒の住む飛騨の町の美しさが描かれていることであろう。女子生徒は糸守という架空の町に住んでいる。ここは飛騨市がモデルである。飛騨市がこのアニメのように美しくて、季節感あふれた町ならば、多くの人はいつかは訪問してみたいと思うだろう。飛騨市はさっそくこの映画を飛騨市のホームページに載せて、アピールをしている。そして、この話に沿って、映画の聖地巡礼のマップを作っているのだ。
瀧と三葉
ホームページの説明に寄れば、男子生徒の瀧は、自分の入れ替わりの女子生徒の三葉を探しに名古屋駅から「ワイドビューひだ」に乗って「飛騨古川駅」にやってくる。そこで、イメージとして登場するのは、駅のホームから駅舎に入ると飛騨牛のマスコットキャラクター「ひだくろ」が登場する。以下、公式ウエブサイトには、気多若宮神社、飛騨古川まつり会館、飛騨牛串焼き／岡田屋、瀬戸川と白壁土蔵街、渡辺酒造店、蒲酒造場（かばしゅぞうじょ）、飛騨古川さくら物産館、飛騨市図書館、宮川落合のバス停、飛騨まんが王国と訪問すべきスポットが11箇所も提示されていて、その通りに歩けば楽しいだろうなという印象を与えてくれる。
この映画の制作者達は、実際にこの町を訪問してたくさんの写真を撮ってアニメの下絵にしたことが分かる。アニメの風景は、まったくのゼロから描いたのではなくて、下図があることを教えてくれる。
東京と飛騨
飛騨と対照的に描かれるが東京である。東京のどこになるのか。アニメになると東京の猥雑さが消えて､幻想的な雰囲気になる。とにかく、この映画は飛騨地方、それに対比して東京の魅力も語る映画になっている。若い人たちは、この映画を見て、飛騨地方を訪問してみたい、同時に東京の魅力の再発見にも結びついてほしい。